2009.11.18

白水社から内田洋一責任編集「野田秀樹」

白水社から内田洋一の責任編集による「野田秀樹」が発売となった。これは「日本の演劇人シリーズ」の第一弾。税込2,625円。

この本には、野田へのインタビューや幻の処女作「アイと死を見つめて」が収められている。また、東大新聞連載評論を初掲載。生まれ故郷やロンドン公演への取材も行っている。以下、白水社の紹介文。

■国際的演劇人の姿に迫る
 国際的に活躍する演劇人の姿に迫る、ファン必読の書。これまでの類書と異なり、触れられることの少なかった野田秀樹の故郷を訪ね、創造の原風景を明らかにしながら、夢の遊眠社旗揚げ以前の軌跡に光を当てる。同時に「THE BEE(蜂)」のロンドン公演の現地取材から、高い評価を得るにいたった作品の制作過程なども明らかにしていく。ロンドンでのインタビューで野田が答えた「文化というのは摩擦の中でしか生まれない」という一言は、常に演劇的言語を探求する劇作家の態度を象徴しているだろう。併せて、これまで途切れることなく書きつづられてきた演劇ノート「劇誌」のロンドンバージョンも公開、制作にあたっての熱い胸中を吐露している。もうひとつの「目玉」は、何と言ってもいまや伝説となっている初期未刊作品を収録したことだ。一九七二年、十六歳夏に書かれた処女戯曲「アイと死をみつめて」、高校文化祭のクラス演劇のための「ひかりごけ」は、その後の秀作の起点ともなるものだ。また東大新聞に連載した唯一の演劇論「演劇進化論序説」も必見で、盛りだくさんの内容にあふれている。

白水社「野田秀樹【シリーズ:日本の演劇人】
http://www.hakusuisha.co.jp/detail/index.php?pro_id=09411
ちょっと立ち読み「野田秀樹」(第一章「ロンドンの野田秀樹」より)
http://www.hakusuisha.co.jp/topics/09411.php

| | コメント (0) | トラックバック (0)

たったひとつの「優良児童劇巡回事業」

その大事業の中で、唯一の結果を得たのが「優良児童劇巡回等事業」だった。驚きの結果に、注目が集まっている。

その「大事業」とは行政刷新会議による「事業仕分け」だ。刷新会議が仕分けの対象とした447事業のうち、前半5日間(11/11~16)で仕分けをしたのは243事業。そのほとんどが「廃止」や「予算縮減」、「地方や民間への事業移管」で、「予算要求通り」の判断が下ったのはたった一つだった。それが厚生労働省の「優良児童劇巡回事業」。これが文部科学省の事業ではなく、厚生労働省のものであったのも注目されるところ。

「優良児童劇巡回等事業」は厚労省所管の財団法人「児童健全育成推進財団」に委託し、児童劇や映画を全国の児童館などで公演・上演している。

誰が「優良」と判断しているのかが気になるけど・・・。優良とか健全とか・・・。

児童健全育成推進財団
http://www.jidoukan.or.jp/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

NHKシアター・コレクション2010

次回が3回目となる「NHKシアター・コレクション」だが、開催が決定した。あくまでも「再演」舞台の公演で、過去に上演されたものが対象。NHKの収録ホールで公演し、その後テレビ放映される。過去2回は、2008年が五反田団、文学座、コンドルズ、2009年がモダンスイマーズ、イキウメ、昴、ミクニヤナイハラプロジェクト。

2010年1月~2月に開催されるNHKシアコレ2010への参加は、「華のん企画」「マレビトの会」「KAKUTA」の三つ。「華のん企画」は「子供のためのシェイクスピア」シリーズで知られたユニットで、、山崎清介が演出し、伊沢磨紀、佐藤誓、山口雅義、戸谷昌弘らが出演する。「マレビトの会」は松田正隆が演出を担当し「血の婚礼」を上演する。「KAKUTA」は若手演劇人の中でも注目の桑原裕子が作・演出を担当。筒井真理子、成清正紀、若狭勝也らが出演する。

放送は未定だが、例年4月ごろに予定されている。

NHKシアター・コレクション2010
http://www.nhk-p.co.jp/concert/20100130_111558.html
NHKシアター・コレクション'09
http://www.nhk-p.co.jp/concert/20090110_134859.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)

誠文堂新光社「演劇プルミエ」3号は11/26発売

誠文堂新光社の「演劇プルミエ」はキャッチコピーに「演劇・舞台のメイキングマガジン」としているだけあって、作り手側を紹介する裏方本だ。11月26日に第3号が発売となる。

第1号は2008年12月に「舞台はこうして作られる!ミュージカル大特集」として創刊された。税込1680円。第2号は2009年5月に「稽古場全解剖」をテーマとし、「完全保存版!演劇の舞台裏。演劇(ストレート・プレイ)の裏側を大特集。今年の春から夏にかけての注目作品の舞台裏を紹介。」が特集だった。

注目の第3号は2009年11月26日発刊予定。特集は「知りたい!舞台のヘアメイク」だ。年末から来春にかけて上演される作品の人気俳優・女優たちのヘアメイクを紹介する。1680円。

誠文堂新光社「演劇プルミエ」
http://www.seibundo-shinkosha.net/products/list.php?category_id=39
演劇プルミエNo.3(Yahoo!ブックス)
http://books.yahoo.co.jp/book_detail/AAY85764/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ぴあ「小劇場ワンダーランド」発売!

ぴあが2005年の「シアターワンダーランド」以来の演劇紹介本を発売した。その名も「小劇場ワンダーランド」。テーマは「小劇場」だ。11月11日発売で税込1890円。

さまざまな企画が並んでいるが、以下に並んだ劇作家一覧は要チェック。どうでしょう?

●目利きが推薦!劇作家ファイル50
青木豪/青木秀樹/赤澤ムック/赤堀雅秋/池田鉄洋/糸井幸之介/岩井秀人/上田誠/江本純子/岡田利規/神里雄大/喜安浩平/葛木英/倉持裕/桑原裕子/こまつみちる/櫻井智也/柴幸男/杉田鮎味/高井浩子/高羽彩/竹重洋平/多田淳之介/タニノクロウ/田村孝裕/千葉雅子/土田英生/中島新/長塚圭史/中屋敷法仁/夏井孝裕/楢原拓/ノゾエ征爾/長谷川寧/畑澤聖悟/早船聡/東憲司/広田淳一/福原充則/ブラジリィー・アン・山田/蓬菜竜太/前川知大/前田司郎/松井周/松居大悟/丸尾丸一郎/三浦大輔/本谷有希子/矢内原美邦/山内ケンジ

ぴあ「小劇場ワンダーランド」
http://piabook.com/shop/g/g9784835612881/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.11.03

関西小劇場界の危機か?

関西小劇場界と大阪市のバトルが勃発。関西に衝撃が走った。大阪市側の「契約だから」というお役所コトバが演劇人に通じるのか。演劇人は引き下がるのか。何度も繰り返された事態が、また起きたということなのか・・・。

大阪城ホールに隣接する劇場「ウルトラマーケット」が閉館の危機にある。関西小劇場界が結集して支えてきた「ウルトラマーケット」が大阪市側からの「通告」により、来年3月末で「契約解消」となる。

大阪市中央区の大阪城ホールは、キャパ16000で多くのイベント、コンサートが開かれている。その西側に隣接するのがキャパ130ほどの劇場「ウルトラマーケット」だ。もともとは大阪城ホールの空倉庫だったが、大阪城ホール側から「有効活用」という提案で始まったのがウルトラマーケットだ。当時(2004年)、関西小劇場界では小劇場の閉鎖が話題となっており、多くの劇団が手弁当で集まって作ったのが「天下の台所改善実行委員会」であり、ウルトラマーケットだ。何もない空間がようやく劇場らしくなってきたとこだった。大阪城ホールと関西小劇場界が手に手をとって作り上げた劇場だった。

今回、大阪市危機管理室というところが出てきて、緊急物資の備蓄倉庫にする、と通告した。賃貸契約なのだから、それを延長しないというだけのことで、法的な問題はなにもない、ということだ。そして、大阪城ホール側もこれを認めていたという。何の事前説明もなく、蚊帳の外だったのは、天下の台所改善実行委員会であり、ウルトラマーケットであり、関西小劇場界だった。

それでいいのか?

11月17日に天下の台所改善実行委員会は記者会見を開くという。「閉館にいたる事情説明」だ。公的な存在である劇場の運営サイドとして、いま、何が起きているのかを説明する義務があるということだ。劇場の閉鎖は、お店が一軒なくなるという意味ではない。いや、お店だって、勝手に無くなられちゃ困るものも多い。ましてや、文化・癒し・交流の空間である劇場が説明もなしに閉鎖されるわけにはいかない。倉庫を劇場に変えるだけでも、多くのエネルギーを要したわけだから。そこには、劇団や演劇関係者とともに、観客のエネルギーも費やされていたのだから。

記者会見と、その後の動きを見守りたい。

ウルトラマーケットについて
http://www.banzai1za.jp/ultra/top.html
天下の台所改善実行委員会
http://www.banzai1za.jp/um/um1.html
ウルトラマーケット設立の事情
http://www.banzai1za.jp/m3/kisha/9.html
http://www.banzai1za.jp/m3/kisha/15.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.10.26

文部科学省の概算要求

こんなことがなければ、文科省の概算要求を見ることなど一生なかっただろうなあ、と思いつつ、見てみました。こんな項目を発見! これはやはり、鈴木寛さんの存在が大きいんだろうなあ。そんで、これが削られるかどうかは、平田さんの働き如何ってことなんでしょうねえ。どきどき・・・。

■「コミュニケーション教育の拠点充実」1億円(新規)
 学校教育におけるコミュニケーション教育の充実を図るために拠点校・拠点地域を指定し、実践的研究を実施し、その成果の普及を図る。
・民間団体等と連携・協力した演劇などによるモデル授業の展開
・国際社会で地球的視野に立って主体的に行動できる人材の育成

■子どものための優れた舞台芸術体験事業 50億円(新規)

平成22年度 文部科学省概算要求の概要
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2009/10/16/1284252_2_1.pdf

| | コメント (0) | トラックバック (0)

北村明子著「だから演劇は面白い!」

小学館の新書レーベル「小学館101新書」からシス・カンパニーの代表で舞台制作プロデューサーの北村明子さんのエッセイが発刊となった(2009年10月1日発売)。そのタイトルが・・・「だから演劇は面白い!」で、サブタイトルは「「好き」をビジネスに変えたプロデューサーの仕事力」というもの。制作者必読の書、でしょうか? 新書判/192頁、735円(税込)。

小学館のサイトにある説明文がすごい。
-----
売れっ子演劇プロデューサー、躍進の秘密!

段田安則、堤真一などを擁するマネジメントプロダクション「シス・カンパニー」の社長にして、25年にわたり手がけた舞台がすべて黒字という驚異の結果を出し続ける演劇プロデューサー・北村明子。興行は水もの、の常識をくつがえすこの記録は、いかにして成し遂げられたか。

劇団「夢の遊眠社」、野田秀樹と組んだ企画制作会社「NODA・MAP」を経て、いまも「私自身が観たい芝居しかつくらない」ポリシーを貫く彼女が「“好き”を仕事に変える力」を語りおろす。
-----
小学館「だから演劇は面白い!」
http://skygarden.shogakukan.co.jp/skygarden/owa/sol_detail?isbn=9784098250509

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.10.24

地域による劇団の賢い利用法

「厚木市文化芸術振興プラン推進事業実行委員会」が扉座をうまいこと利用している。なかなか賢い利用法だ。

「厚木市文化芸術振興プラン推進事業実行委員会」とは、文化庁所管の地域文化芸術振興プラン推進事業の厚木展開版。地域における文化力、芸術度の向上を図る事業。同時に、教育、地域コミュニティ、文化発信なども狙う一石5鳥ぐらいの計画だ。

文化庁の地域文化芸術振興プランには、さまざまなものがある。美術工芸品の展覧会、などというレベルもあれば、伝統文化の継承も。演劇の出前公演や演劇体験を学校で、というのもポピュラーなネタだ。しかしこれには、実際に公演やワークショップを行う劇団のレベルが問われることとなる。地元に可能な劇団があるのかどうか・・・。

厚木には扉座があった。ということで、県立厚木高校出身の劇作家・横内謙介さんが主宰する劇団扉座のメンバー10人が厚木市、愛川町、清川村の14小学校を訪問。演劇を通じて表現力を身につけてもらう狙いで、10月から来年2月まで行われる。

最初の学校、厚木市立依知南小学校では6年生約100人を対象に演劇ワークショップを行った。発声練習のあとは、「さよなら先生」という戯曲で稽古。その他、ダンスワークショップや扉座公演の観劇も行われる。

ちなみに、扉座の地域社会におけるアウトリーチ活動「厚木シアタープロジェクト」は、1998年から行われていた。ある意味では、その成果が「厚木市文化芸術振興プラン」になったとも言えよう。

扉座
http://www.tobiraza.co.jp/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.10.23

来春開校、都立総合芸術高校

来春(2010年4月)、都立高校としては初めて「舞台表現科」が誕生する。全国でも珍しいコースだ。

現在、都立の芸術高校としては1972年設立の東京都立芸術高校があるが、コースは美術と音楽。やはり、芸術と言えば美術と音楽なのだ。2004年の調査によると、芸術関係の学科・コースを設置している高校は全国に48校あるそうだが、ほとんどが美術・音楽で、音楽・映像・舞台芸術を合わせた学科を持つ学校が一つと、演劇系列の学科を設置している学校が一つあるだけだ。(平成19年「総合芸術高校(仮称)基本計画検討委員会報告書」)

そんな状況の中で誕生するのが都立総合芸術高校。定員は、美術80名、音楽40名、舞台表現40名だ。舞台表現科では、40名のうち3割を推薦で、残りを2月23日の学科試験、24日の実技検査で採用する。

この学科、4年生大学への進学も考慮されており、一般的な授業も多い。がしかし、3年生になると授業の6割が芸術および選択科目になる。戯曲からダンスまで、いろんなことを学べる学科だ。なんといっても、そのカリキュラムや教科書が作られることが興味深い。その行方を見守りたいものだ。

東京都立総合芸術高等学校
http://www.sogo-geijutsu-j.metro.tokyo.jp/index.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«劇作家協会新人戯曲賞最終候補5作決定