2009.07.02

芥川賞候補に本谷&戌井昭人

第141回(平成21年度上半期)芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の候補作が発表された。話題は、芥川賞に日本語を母国語としないイラン人女性が入ったことだが、それよりもなによりも、芥川賞候補に本谷有希子と劇団鉄割アルバトロスケットの戌井昭人が選ばれていることだ。芥川賞候補6人中、劇作家が二人! 発表は7月15日。

ちなみに直木賞候補に映画監督の西川美和が入っている。

■芥川賞候補
磯崎憲一郎「終の住処」(新潮6月号)
戌井昭人「まずいスープ」(新潮3月号)
シリン・ネザマフィ「白い紙」(文學界6月号)
藤野可織「いけにえ」(すばる3月号)
松波太郎「よもぎ学園高等学校蹴球部」(文學界5月号)
本谷有希子「あの子の考えることは変」(群像6月号)

■直木賞候補
北村 薫「鷺と雪(さぎとゆき)」(文藝春秋)
西川美和「きのうの神さま」(ポプラ社)
貫井徳郎「乱反射」(朝日新聞出版)
葉室 麟「秋月記(あきづきき)」(角川書店)
万城目学「プリンセス・トヨトミ」(文藝春秋)
道尾秀介「鬼の跫音(おにのあしおと)」(角川書店)

文芸春秋ホームページ
http://www.bunshun.co.jp/

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2009.07.01

ピナ・バウシュさん、死去

ドイツのブッパータール舞踊団を率いる振付師、ピナ・バウシュさんが6月30日、死去した。68歳。死因は、5日前に診断されたばかりのがんとみられる。

日本でも数々の公演をこなし、07年に京都賞受賞。舞踊団によると6月21日に舞台に立ったのが最後となった。

アカデミー脚本賞に輝いたスペイン映画「トーク・トゥ・ハー」(02年)のダンスシーンに参加。映画は見てるがコンテンポラリーダンスは全く知らない観客に衝撃を与えた。

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2009.06.25

新国問題で、驚くべきサイアクの反応

新国立劇場演劇部門芸術監督交代人事問題で、演劇人有志の抗議声明に対して運営財団の霜鳥常務理事が24日に記者会見し、「昨年7月の回答で説明しきっている」と話した。これ以上対応しない姿勢を示したもの。また、この霜鳥常務は今回の次期芸術監督選考の実務を担当した本人であるが、「一身上の都合」で6月末に辞任すると発表した。

考えられる限りの対応のうちで、最もダメなリアクションじゃなかろうか。火に油を注いで、何を期待しているというのだろうか。(問題は霜鳥さんにあるわけじゃない)

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2009.06.24

今年のピースリーディングは篠原久美子作品

演劇人有志による反戦ピースリーディングが今年も開かれる。7年目。8月17・18日の二回公演で、篠原久美子の書き下ろし新作『ディア・マイ・サン・イン・パレスチナ(仮)』を、渡辺えりの構成・演出で上演する。主催は非戦を選ぶ演劇人の会。会場は今年も新宿スペースゼロ。

第一部はリーディング『ディア・マイ・サン・イン・パレスチナ(仮)』。第二部はゲストを招いてのシンポジウム。なんと、森光子が登場して戦争体験を語る予定という。

<出演予定者(五十音順)>
麻丘めぐみ・朝倉摂・有森也実・石井正則・石川武・板倉光隆・植田真介・宇梶剛士・占部房子・円城寺あや・大沢健・大谷亮介・大塚道子・金内喜久夫(18日のみ)・川俣しのぶ・キムラ緑子・小杉美香・坂口良子(17日のみ)・沢田亜矢子(18日のみ)・鈴木弘秋・田根楽子・檀臣幸・富沢亜古・西山水木・根岸季衣・深沢敦・藤井由紀・毬谷友子・みやなおこ・深山洋貴・村井国夫(18日のみ)・村岡希美・森光子(18日のみ)・山口馬木也・山崎ハコ・山村美智・蓉崇・流山児祥(17日のみ)・渡辺えり・他

日時:2008年8月17日(月)、18日(火)
開場 18:30 開演 19:00
会場:全労済ホール/スペース・ゼロ TEL 03-3375-8741

主催=非戦を選ぶ演劇人の会
特別協賛=全労済ホール/スペース・ゼロ
問い合わせ=二兎社03-5638-4587(平日10:00?17:00)
チケット料金=全席指定一般1500円、中高生1000円、小学生以下500円
前売開始:7月5日(日)

非戦を選ぶ演劇人の会
http://hisen-engeki.com/

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新国問題、今度は週刊朝日が刺激的に紹介

今週の週刊朝日(火曜日発売)の新聞広告はちょっと衝撃的だ。「怒れ!納税者 5連発」として、母子加算手当、西松建設事件、トンデモ裁判官、改正産業再生法と並んで「新国立劇場:永井愛、井上ひさし、蜷川幸雄らが怒る『天下り』経営」と。これじゃまるで、新国立劇場の運営が税金の無駄、ドブに捨ててる、と言わんばかりだ。

実際の誌面はちょっと違う。タイトルは「劇作家永井愛さん 訣別の弁」として、「私が新国立劇場を見限る理由」となっている。「井上ひさし氏ら演劇人たちも支援」とも。

記事では、昨年5月からのコトの始まりを紹介している。ノリは完全に「週刊誌」です。まあ、こういった問題では、お役所は取材を受けないので、こっち側からの情報に偏ってしまう傾向があるのはやむをえないところです。財団側は取材の要請に対し「コメント」を返している。「適正に処理されている。永井さんが問題を引き起こした。」と。

記事はこの執行部のコメントに対する鵜山氏の話で紹介している。「お互いに、自由闊達に、演劇に対する哲学と愛情とをもって、厳しい批評、判断をぶつけ合い、その過程を広く公表し、創造側、観客を巻き込んで、さらに議論の輪を広げることこそが、まっとうな対し方です」と。そして、記事の最後のフレーズが・・・痛い。「遠山理事長には、きっと理解できない話だろう。」

確かにそうだろう。お役所が考える最高の結末は「問題自体がなかった」というものだ。問題が起きた時点でお役所は非難されるものだから。問題が起きていないんだから解決の道を探る必要はない、のだ。

しかし、どんなに「問題は存在しない」と言っても、徐々に広がり、大きくなっているように見えるが、どうだろうか。

週刊朝日2009年6月29日号
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=10511

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声明記者会見をステージウェブが動画配信

新国立劇場芸術監督問題で、6月19日に開かれた演劇人有志による声明発表の記者会見の模様を、動画配信を使ってステージウェブが紹介している。

記者会見は新宿の芸能花伝舎で19日に開かれた。その模様をステージウェブの解説付きで、動画がステージウェブサイトにアップされている。コメントは、永井愛、井上ひさし、松岡和子、坂手洋二、流山児祥ら。記者との質疑応答もある。

・・・考えてみると、こういうときに必ず出てくる平田オリザさんが、いないのね。ちょっと残念。大阪大の先生だから、こっちにいないのか・・・。

誰でも考えることだが、今回の一連の騒動は、きっと誰かが芝居(爆笑喜劇)にするんだろうなあ。できればそれは新国立劇場で上演してもらいたい。こういうのは永井愛さんか井上ひさしさんがうまいんだよなあ・・・。

ステージウェブ
http://www.stageweb.com/2009/06/nntp0906.html

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新国問題、朝日新聞が報道

こじれ続ける新国立劇場芸術監督問題を、6月22日の朝日新聞が文化面で採り上げた。演劇人の声明については20日の社会面で扱っていたが、文化面では朝日新聞の演劇担当:藤谷浩二氏の署名入りで「財団と演劇人、話し合いを」と題した解説記事。サブタイトルは「新国立劇場 芸術監督人事で対立」。

記事では、今回の問題の一連の流れを紹介し、小田島さんと永井さんの理事辞任と声明について説明している。

記事によると、演劇人と新国立劇場運営財団の対立(記事では「双方の認識の隔たり」と表記)の理由は、「財団執行部が元官僚や企業・経済団体出身者で占められ、劇場運営のプロがいないため」と予想している。そして、演劇人有志の会見での井上ひさし氏のコトバを紹介している。「理事長側が使う『官僚言葉』は自分たちを理論武装して守る言い回しを豊富に持つ。だから彼らの論理では今回の人事は正しいのでしょう。国民の税金を使う施設のあり方をみんなで考えるという視点を第一に、新しい言葉と大きな場所で、両者が前向きに話し合う必要がある」と。

この記事は、井上ひさし氏のコトバで結ばれており、記事タイトルからも「話し合いをすべきだろう」という意図だ。「対立」は「劇場の将来にとって不幸」だから、話し合いで解決すべき、と。しかし、現段階では、演劇人側が「問題だ」としているのに対し、財団側は「問題はない、解決している」という立場だし、そもそも共通言語を持たない二者に話し合いが可能なのか、疑問である。疑問というか、不安である。どうだろうか。

なんにしても、「問題はなかった」という立場の財団側だが、多くのメディアが報道することで、そうとも言ってられなくなるのではなかろうか。そこに期待したい。

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2009.06.20

ストアハウス閉館の理由

西武池袋線江古田駅前の江古田ストアハウスが「消防法等の問題」で閉館・移転すると伝わっていたが、より詳細な理由がわかった。要するに「避難経路が一方向しかないスペースで不特定多数の人が集まるようなことをしてはいけない」という消防法に抵触しているからだ。

確かにストアハウスはビルの5階にあり、出入口は一箇所。多くの劇場では、搬入口や非常口など、出入口とは別の経路が用意されている。非常の際はそこを開けることが可能、という状態で公演を行っている。ストアハウスの場合は、古いビルのせいか、非常階段が設置されておらず、メイン通路(階段)以外の避難経路の確保ができない状態だった。

ということで、「25年間黙認してきた当局」が「もう見逃せない」と通告してきたのだった。

まあ、そういうことならしかたがない、とも言える。どちらかというと、他にも安全な避難経路を確保できていない劇場があるような気がして、心配になってしまうわけで・・・。

今後、ストアハウスの「劇場」は移転する計画。新しい場所を探している(未定)。現在の場所は稽古場として営業を継続するという。名前は「ストアハウス江古田スタジオ」となる。また、現在、7月末の閉館に向けて「“さよなら江古田ストアハウス”The last tour in 江古田」と題した連続公演を行っている。ゆかりの劇団によるラインナップは下記。「連作二人芝居をストアハウスで300話上演する」という企画「メトロポリスプロジェクト」を行っていたじんのひろあき氏がフジオプロの許諾を得て上演する劇団ガソリーナの「ひみつのアッコちゃん」が注目だ。

■さよなら江古田ストアハウス
1、Charge「Chan Chan Returns★」4/15~19
2、劇団コーヒー牛乳「男の60分~東京場所」4/22~29
3、劇団在「そんなもん」6/24~28
4、東京パチプロデュース「バンサラ!!」7/1~5
5、劇団ガソリーナ「ひみつのアッコちゃん」7/8~19
6、ストアハウスカンパニー「箱」7/22~26

江古田ストアハウス
http://www.storehouse.ne.jp/

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新国立劇場芸術監督問題、再燃!

昨年7月から8月にかけてこじれにこじれた「新国立劇場芸術監督問題」は、新国立劇場側の幕引きで終結したかに見えていたわけだが、このたび、演劇人サイドの「抗議声明第3弾」で復活した。

昨年の騒動は、当編集部1月1日配信の「2008年演劇界ニュースベストテン」でも第一位に輝いたわけだが、8月にはうやむやになってしまった・・・。が、ほぼ一年を経て、演劇人有志と日本劇作家協会、日本演出者協会、国際演劇評論家協会日本センターは、2009年6月19日付で、新国立劇場運営財団に対して「新国立劇場の自省と再生を願う演劇人の声明」を発表した。これは、新国立劇場が5月7日に発表した「平成21年3月24日に行われた平成20年度第3回理事会における決定」が契機となっている。再三、選考過程が不透明、選定プロセスの納得いく説明を、と問いかけてきたわけだが、新国立劇場側は「プロセスは適正なので選考に関する議論は二度としない」という「回答」を発表したものだった。

抗議声明第3弾は、「ちょっと待った」というものだ。その3月の理事会直後に小田島雄志理事が辞任表明し、永井愛理事が辞任届を送付したという。この二人の失望はスルーされて現在に至っている状態。そこでこの「ちょっと待った」声明が発せられたわけだ。

抗議声明第3弾に名を連ねるのは以下の人々と団体。そうそうたるメンバーだ。この声にどう応えるのだろうか。当サイトは一昨年、新国立劇場を何度か取材し、その組織が「お役所」であることを知った。上層部にはお役人さんが鎮座している。よってスタッフは気苦労が多い。それでも計り知れない可能性を秘めていることも感じた。今度のことが契機となって、新しいものが生まれることを期待したい。

■新国立劇場の自省と再生を願う演劇人の声明(6月19日)
http://www.jpwa.jp/main/inform/appeal090619.pdf

(声明の賛同連名者)
井上ひさし、大笹吉雄、木村光一、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、鴻上尚史
坂手洋二、篠原久美子、島次郎、扇田昭彦、永井愛
西堂行人、蜷川幸雄、ペーター・ゲスナー、別役実、マキノノゾミ
松岡和子、松本修、横内謙介、流山児祥、渡辺えり
日本劇作家協会、日本演出者協会、国際演劇評論家協会日本センター

■新国立劇場:平成21年3月24日に行われた平成20年度第3回理事会における決定
http://www.nntt.jac.go.jp/about/foundation/artistic_d-play.html#d

■過去2回の声明
http://wwwsoc.nii.ac.jp/aict/myweb1_046.htm

■編集部選出、演劇界ニュースベストテン(2009.1.1)
http://www.mcri21.com/sp/news09/90101.htm

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2009.06.12

大型の文化芸術サイト、オープン

文化庁の委託により、ぴあ株式会社が管理・運営する大型文化芸術サイトがオープンした。日本の文化・芸術を網羅して紹介している。ジャンルは、映画、マンガ・アニメ、ゲーム、ポッス・ジャズ、クラシック音楽、邦楽、現代演劇、古典演劇、舞踊、美術、写真、演芸、文学、生活文化・国民娯楽、地域の祭礼・民族芸能。

たとえば「現代演劇」のページは、「わが国の演劇の年間公演回数は、4万回強、延べ動員数は約1,500万人に上ると推計され(中略)、特に東京に約6割(公演回数ベース)を超える公演が集中しており、3,000団体を超えると言われる(以下略)」と紹介されている。また、業界構造・商慣習が掲載されており、誰向け?という印象もある。

いずれにしても、このような「網羅系」のサイトが登場した意義は大きい。誕生したけどいまいち牽引力のない「新国立劇場」に代わって、発展が期待できる。もちろん、新国立劇場は長い目で見ないといけないわけだけど。

「網羅」したとはいえ、まだまだ浅いサイトだ。発展し、情報が集積されることを期待したい。

日本文化芸術オンライン
http://www.bunka.go.jp/culture-online/jp/

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